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発達障害の人が上手に働くための本 對馬陽一郎・著 林寧哲・監修


ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本

  • 作者: 對馬 陽一郎
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2017/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



これはまさに、発達障害のある本人のための本。

これまで出会った「発達障害の人の就労関係の本」は、支援する側の人や、雇用する側の人が、どういうことに気がついて、どんな配慮をすればいいのかという視点で書かれていたが、この本は、発達障害の当事者が、自分が困っている点を整理して、どうしたら回避してうまく仕事をすることができるのか、どうすれば生活しやすくできるのか、自分自身で解決する方法を見つけるためのヒントが描かれている。

先延ばし癖を何とかしたい、段取りができないを何とかしたい、ケアレスミスを何とかしたい、物忘れを何とかしたい、片付けられないを何とかしたい、職場・仕事の人付き合いを何とかしたい、などのテーマに沿って、一つひとつの問題に対して、具体的な対策案が紹介されている。

仕事中についついネットを見てしまう、約束の時間が守れない、前の日までは覚えていても忘れ物をしてしまう、大事なものをすぐに失くしてしまう、紙の書類の整理が付かない、などの困り感がある方には、とても参考になるともう。

スケジュール管理のためや、メールが来ているのに気づかなかったとか、パソコンの入力ミスを防ぐとか、約束の時間を守れないなどの対策には、パソコン、スマホ、タブレットなどのアプリケーションが紹介され、設定方法なども書かれている。

電話のメモが取れない、報告の仕方や、雑談の仕方、会議についていくには、など、発達障害のタイプごとに、対策案が紹介されている。

発達障害の診断を受けていない人でも、なんだか仕事がうまくいかないなあと感じているだけの人でも、ヒントになるようなことが沢山紹介されていると思う。

ただし、巻頭に書かれているように、会社での仕事、オフィスでの仕事を中心に書かれているものなので、それ以外の仕事に就いている人には合わないと思われるところもあるかもしれない。
しかし、今現在、どんな仕事に就けばいいのかと悩んでいる人なら、この本を読むことで、なるほど、こういうふうに工夫していけば、自分でも会社での仕事をうまくやることができるかも、と、自信をつけることができるかもしれない。

発達障害がある人にも、そうでない人にも、一読をお勧めしたい。


仕事がしたい!発達障害がある人の「就労相談」 梅永雄二:編著 [ASD関連図書]

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発達障害の人の就労支援をしている人のための本ではあるが、仕事がしたくても自分に合う仕事になかなか出会えない当事者の人にもぜひ読んでほしい本。

知的障害のない発達障害の人やグレーゾーンといわれている人たちを中心にしているが、どんな症例の人がどんな支援を受けて就労に至ったか、多くの事例が紹介されているので、自分に似たタイプの人たちがどんな仕事を得ているのかを知ることができる。
また、どこに相談すれば解決に向かえるのか、参考になると思う。

ただし、巻末の章に記載されているように、「当事者の体験談は当事者の特性が多様である以上、簡単に一般化はできない。」のであり、「当事者の成功談を安易に当時者支援に生かそうとするのは禁物」である。

各々の事例には、その課題と支援のポイントなどが紹介されているので、さまざまな相談業務にあたっている人たちが本書を参考にして、発達障害についての理解を深めてほしいものだと思う。



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共通テーマ:仕事

発達障害を持つ子どものサインがわかる本 監修:塩川宏郷 [ASD関連図書]

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私の師匠である塩川先生が監修した本。
2012年に発行された本なので、診断名などは現在のものとは違っているけれど、発達障害についての基礎的な知識や早期発見・早期支援のためにできることなどについては、現在でも有効な内容である。

1歳、2歳、3歳、就学前後ぐらいの時期に気づいてあげたい発達障害のサインや、気づいた後の対処方法について、わかりやすく書かれている。
食事、排泄、睡眠など生活の中での気になる行動やトラブルに、どうやって対処したらいいかのヒントが分かりやすく紹介されているので、子どもの行動に困っているお父さんお母さんには、とても役に立つと思う。

なにより、章の区切りにちりばめられた「コラム」では、「お互い様の社会」を理想とする師匠の思いが綴られていて、本文よりもコラムを読むことをお勧めしたい。
発達障害診断に関わった経験からのエピソードを盛り込んだ第7章も必見。

師匠はめんどくさいというかもしれないが、DSM-5に準拠した診断名に変えて、同じ内容の改訂版を発行していただきたいものだと思う。


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共通テーマ:育児

自閉症だったわたしへ・Ⅱ・Ⅲ ドナ・ウィリアムズ 河野万里子 訳 [ASD関連図書]

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ドナ・ウィリアムズは、1963年にオーストラリアで生まれた女性で、母親からの虐待を受けながら、壮絶な環境の中で生長し、25歳で自閉症の診断を受けた。
この本は、3歳より以前のほんの幼い時の記憶から書き始まり、その時々に感じたこと、考えたことを、詳細に記述している手記であり、自分自身が何者であるかがわからなかった彼女が、自分自身の居場所を探すための、長い旅路を綴ったもので、「自閉症だったわたしへ」「自閉症だったわたしへⅡ」「自閉症だったわたしへⅢ」を合わせると、相当に読み応えのある長編になる。
河野による日本語訳の1冊目が出版されたのは、平成5年(1993年)とあるので、今から24年前になる。

この本を読んだのは、購入記録によれば、2007年だった。
2002年頃、企業の採用担当者だった私は、障害者の採用と雇用管理も担当していた。
障害者のための合同面接会には度々参加していたが、あるとき、特別支援学校の先生に紹介されて、自閉症だという高校3年生と面談することになった。
彼は、私の質問する言葉を、オウム返しのように一度自分で口に出してからでないと、応えられなかった。
彼の側には彼の父親が同席し、心配そうに見守ってはいたが、口は挟まなかった。

当時私の勤務する会社は、身体障害者は雇用していたものの、理工学系の専門知識や技術を持った人に限られていて、知的障害者や精神障害者は一人も採用したことが無く、何とか一人でも受け入れてくれる職場がないかと模索しているところだったが、なかなか引き受けてくれる職場をみつけることはできないままでいた。

自閉症の少年と出会って、なんとか採用したいとは思いつつ、実際の仕事の現場での困難さも重々承知していて、採用に結び付けることはできなかった。

しかし、その時の想いはずっと心の中に有り、自閉症の人たちへの支援はどうすればいいのか、自閉症とはいったいどんなメカニズムで、このような反応をするようになるのか、自閉症についてもっと知りたいと思うようになった。

それまでの知識では、自閉症と知的障害は並存していて、自閉症の本人がどういう風に物事を感じ、考えているのか、知るすべがないと思われていた。
そんなところに出会った「自閉症だったわたしへ」という手記は、まさに、自閉症の本人が、日々の生活や周囲の様を、どの様に感じ、どの様に考えているのかを、自ら表現してくれている、画期的な書物であった。

彼女のいちばん最初の記憶の、光の玉がきらめきながら周囲を飛び回るという夢のような世界や、成長してからの、周りの景色が突然すうっと遠のいていく様、彼女の周りにできた目に見えない壁、彼女の周りにいた友人たちとの出来事など、ドナと自閉症の闘いの様子が語られていて、私にとっては一つひとつが新鮮なものだった。

ドナは成長してから、黄色のレンズのサングラスをかけることで、視覚の過敏さが和らぎ、精神的にも落ち着いて生活できるようになったというようなことが記述されていたが、このような症状に「アーレン症候群」という名前がついていることを知ったのは、2年前に大学院に入学し、発達障害について学び始めてからだった。

3冊全部読み切るのには、とてもエネルギーと持続力が必要だったが、これは、ひとつの言葉から書き始めると、次々に書くべき言葉が溢れてくるという、ドナの自閉症ならではの特性である優れた記憶力のせいなのだろう。
読んでいる方は、その情景が、映画でも見ているように感じられるほど、詳細に記述されているのだ。

「自閉症とはいったい何なのだ?」ということが知りたくて、読み始まった本ではあるが、そして、ドナという1人の女性の抱える自閉症については、だいぶいろいろなことがわかったが、自閉症の世界はもっともっと広くて、私はその入り口を紹介されただけなのだろうと思う。

この本を、もし、自閉症を抱える本人の方が読むのであれば、ドナの闘いの様子や、壁を乗り越えようとするドナの勇気を知ることができ、きっと、新しい勇気や力を貰えるのではないかと思う。
是非、読んでみてほしい本である。

が、残念ながら、この本を今現在、新たに入手することは難しいのかもしれない。
古書店などで、辛抱強く探してみてほしい。







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発達障害 岩波 明:著 文春新書 [ASD関連図書]

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2017年3月20日発行で、成年期以降の発達障害について書かれた本としては、いちばん新しく、発達障害とは何か、という疑問や興味を持つ人に、良く整理されて理解しやすく書かれている。

特に、成年期以降に困難が生じやすいのは、知的な能力が高いために、発達障害が見逃がされてきた人たちについてであり、そういう人たちが主にASDかADHDであることを説明し、どんな問題を抱えているのか、どのように解釈すればいいのかが、よくわかる本であると思う。

第1章から第4章までは、ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如他動性障害)について、及びそれらの共通点と相違点、映像記憶や共感覚、学習障害についてなど、豊富な事例を紹介している。サヴァン症候群はテレビドラマなどで知られるようになった障害であると思うが、それがどのようなメカニズムで起きるのか、「文字に色を感じる」「音に色を感じる」「形に味を感じる」などのシネステジア(共感覚)のために、生活に支障を生じたり、極端な偏食になったりするメカニズムについても説明してくれている。

第5章では、天才と呼ばれた著名人の中の、発達障害と言われている人たちについて、その根拠を説明してくれている。

第6章と第7章では、アスペルガー症候群への誤解が広まった理由について述べ、最近の小学生や少年の殺人事件を例に引き、精神分析の解釈をしながら、本当は発達障害ではなかったと思われる例と、本当に発達障害であった例を説明してくれている。

第8章では、発達障害をどう支援するのか、著者が関わっているデイケアの方法を紹介し、成功例を示してくれている。

*****

発達障害は精神科を受診すれば診断してもらえると多くの人が思っているかもしれないが、発達障害の客観的な診断方法がみつからない限り、判断や診断は医師の主観によるところが大きく、間違った診断がなされていることが多いという現状がよく分かる。

また、少年犯罪が起きた場合、検察側の思いと、少年を弁護する側の思いが交差し、発達障害ではない場合でも、発達障害の診断をつけてしまうという現実もあるそうだ。

それらと、マスコミのセンセーショナルな報道と、不可解なことは発達障害という理由をつける事によって納得したいという、多くの人たちの思いが交錯して、発達障害への誤解が広くなってしまったのだろう。

少年犯罪の発生率は、発達障害と診断された少年群と、発達障害ではない少年群とを比較しても、なんら差がないことは、統計上明らかになっている。

多くの人たちに、発達障害とは何かという知識を持ってもらい、正しい支援が行われるようになってほしい。



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思春期と成人期の知的障害のない自閉スペクトラム症に対するコミュニケーション・スキルの向上を目指した集団精神療法の成果 [ASD]

(九州神経精神医学、第60巻、第2号、平成26年8月15日発行)

研究と報告 
思春期と成人期の知的障害のない自閉スペクトラム症に対するコミュニケーション・スキルの向上を目指した集団精神療法の成果

吹田 恭子  医療法人愛命会泉原病院

思春期と青年期の、知的障害のないASD者の多くは、適切な相談機関や就職支援施設に出会えず、二次障害に苦しんでいるところに注目し、集団での療法を試みて成功例が出たという報告。

週に1回、60分、様々な訓練やロールプレイを行い、計79回、延べ参加人数は約320人。
登録者は、15歳から40歳の男性18人、女性7人、合計25人。
そのうち、4人がフルタイム勤務、3人がパートタイム就労、2人が進学に結び付いたという。

25人のうち3分の2ほどの人は、薬物療法を受けながらの参加、毎回全員が参加というものではなく、参加したりしなかったり、1回のみの参加で終わている人も数人いるが、一番多い人で50回以上参加している。

ASDの人たちの生きにくさを緩和するためには、薬物療法に加えて、認知行動療法などの何らかのセラピーが必要だと思うが、セラピストと本人の1対1の療法ではなく、集団で実施することに大きな意味がある。
顔なじみが増え、不安や緊張が少なくなり、心地よい居場所ができるし、困っているのは自分だけではないと感じることができる。
ロールプレイでは、自分が演じることだけでなく、他者のロールプレイを見ることで、同じ課題を繰り返し疑似体験でき、自分の言動を客観視できるような社会技能を身につけられる。
一般社会での多数派の技能を理解することで、生活の生きずらさを緩和できる。
褒められた経験が乏しいメンバーも、他者から褒められる経験を増やすことで、自己評価の改善や自己肯定感の回復ができる。

その他にも、メンバーひとりひとりの特性を見て、それぞれに対応できるプログラムや実施方法を工夫していることがうかがえる。

*****

25人のメンバーに対して、2年にわたる丁寧な取り組みが、就労などにつながるという成果に結びついたと思われるが、世の中に大勢存在する、生きずらさを抱えている就労困難なASD者に対して、同じような取り組みができるほど、発達障害の専門的知識や経験を持つ医師やセラピストは多くない。
もっと広く、このような取り組みがなされるように、ASDに対する知識が広まることを願う。

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大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版)  監修:梅永雄二 佐々木正美 [ASD関連図書]

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大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版) 単行本 – 2008/8/30
梅永 雄二 , 佐々木 正美

DSM-5が発表される前の本なので、アスペルガー症候群を題されているが、知的障害のない自閉症スペクトラムの方、診断はされていないけど生きにくいなあと思っている方など、仕事や日常生活で不都合を感じている人たちに読んでほしい本。

なぜうまく生きられないのか、人にあわせられない疎外感、仕事に定着できない無力感、誤解と非難がもたらす劣等感などについて、イラストや具体例をたくさん掲載して、自分自身の心のメカニズムを確認できるし、支援の受け方なども具体的に紹介している。

本人だけでなく、ASDらしい人が周囲にいる方、職場にいる方などに、理解いただくための参考書としても、非常に分かりやすい内容になっている。

巻末ごろの支援についての項目では、法律が変わっている部分もあるので、最新の情報については厚労省のHPなどで確認するか、新しく発行された類似の図書などで確認して、受けられる支援などの情報を調べることが必要と思われるが、できれば、この図書の法的部分だけ、最新のものに書き直して改訂版を発行いただければ、当事者にも支援者にもわかりやすいガイドブックになるのになあ。


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自閉症の脳を読み解く―どのように考え、感じているのか テンプル・グランディン (著) [ASD関連図書]

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著者は、自閉症当事者にして大学コロラド州立大学教授の動物学博士。
自閉症のメカニズムを解明するための研究に、自身の脳を提供し、機能的MRIの画像を撮るなど。
自閉症の人の偏桃体などが、定型発達の人よりも明らかに大きいなどの特徴がわかったが、同じような脳の特徴がある人でも、必ずしも自閉症を発症していないことや、脳の顕著な変化が無くても自閉症が発症する場合もある。

結論としては、やはり、自閉症のメカニズムは、未だよくわからないということがわかった、ということ。

自身の体験談から、社会で職業を持つためのアドバイスなども書かれており、当事者でもそうでなくても、一読をお勧めしたい。





タグ: 自閉症
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発達障害児を持つ母親の心理過程 -障害の疑いの時期から診断名がつく時期までにおける10事例の検討- [発達障害]

著者 目白大学大学院心理学研究科 相浦 沙織
   目白大学人間社会学部 氏森 英亞

目白大学心理学研究 2007年第3号 131-145

2005年の発達障害者支援法の施行から2年後に発表されているもの。

研究の目的:多くの問題を抱えている発達障害児を持つ母親に焦点を当て、時期を追って、母親の詳細な心理的過程を探る。

◆クライシス・ピリオド(CP)とは
①出産から障害の疑いの時期、診断前後の幼児期前期
②通園施設や幼稚園・保育所などの集団生活に入る時期
③小学校入学にあたって就学相談の時期
④就学後の時期
⑤思春期の時期

◆調査方法
小学校1年生から中学校1年生までの発達障害児を持つ母親10名を対象に、質問紙による調査と半構造化面接を実施。

(1)質問紙調査
・子どもの障害についての対象者の気づきから診断までの時期について
 障害の疑いの時期ときっかけ
 第三者からの障害の指摘の時期およびその相手
 指摘されたときの気持ち
 診断を受けたときの気持ち
・出産から現在まで受けてきたサポート

(2)面接質問項目
・出産から現在まで、子どもや家族が通所・利用してきた機関とその内容、満足度、子どもの様子、母親自身の気持ち
・子どものために、母親が最も強くストレスを感じた時期
・ストレスを感じた理由
・どんな援助が欲しいか

母親自身が障害を疑ってから診断名がつくまでの期間は、7か月から58か月と幅があり、平均では24.80か月(約2年1か月)の期間を要している。

障害を疑うきっかけは、10人の母親全員がクライシス・ピリオド。
自閉症の母親は平均して子どもが2歳以前に疑う。
障害を初めに疑った人は、母親自身が気づいたものが一番多い。

第三者からの指摘の疑いの指摘では、指摘の仕方や態度で、母親の子どもを認めることを阻害する要因になりうる。

「もう少し上手に幼児教室に促してくれていたら、1年早く療育を始めていたら、この子の成長に違いがあったのではないか。」

保健師から不快な障害の疑いの指摘を受け、1年以上専門機関にかからず、子どもと2人きりで引きこもり、クライシス状態が続いていた。

障害を認めることに対して葛藤があった母親は、10人中7人。
診断を受ける前は、子どもの状態の理由がわからず、ずっとつらかった。(10人中8人)
「自閉症」と診断されていない事例の多くは、診断名をはっきりと言ってもらえず、不安や葛藤を繰り返していた。
診断名が変更されることも、母親の気持ちを揺らす原因となっている。
診断名を言われても、母親はどうしていいかわからず、他の診断を求めて、他の医療機関を受診を繰り返す行動(ショッピング)。

「この子に合った療育をしてあげたくて、はっきりした受診名が欲しかった。」

10例のうちすぐに診断名を貰えたのは、1例のみ。

9例はすぐに診断名がもらえず、その間、他の病院を回ったり、月に10万円以上する針治療や教育など、良いと言われることを行っていた。

診断名を貰ってからは、気持ちがすっきりした、納得した、などの事例がある一方で、これから何をしていいかわからず不安だった、今頃という気持ちもありながら死にたいと思った、などという事例もあった。


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オメガ3脂肪酸は、ADHDの治療に役立つのか?という評価のレビュー論文 [ADHD]


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「注意欠陥/多動性障害の治療におけるオメガ3脂肪酸の重要な評価」

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4968854/

著者グループは、オランダの人。
手法はメタアナリシスで、2000~2015年の文献を参照している。

現在広く使用されているADHDの薬は、覚せい剤と同様のもので重篤な副作用や不耐性があるため、代替医療が探られている。

ADHD児とそうでない人の血液中のオメガ3多価不飽和脂肪酸を調べたところ、ADHD児の血中レベルが低いことが見られた。
オメガ3脂肪酸は、適切な脳機能の発育のための必須栄養素であり、ADHDに有益な効果をもたらす可能性がある。

この研究グループは、ADHDの効果的な治療の組み合わせと、オメガ3を含むサプリメントの安全性、忍容性を識別するために2000年から2015年の間に発表された研究をレビューした。
科学Webを検索して、25の研究を同定し、全体的には、ADHDの症状の緩和に効果があるということが言える。

オメガ3を含むサプリメントの忍容性は高く、副作用は軽いということがわかったが、軽度のADHD患者において、より有効であることをさらに研究する必要がある。
このサプリメントを使用することで、刺激薬の使用を減らせる可能性がある。

※オメガ3脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種。エイコサペンタ塩酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など。薬剤としてもあるが、サプリメントとして販売もされている。

今後の研究としては、単一の治療薬として、また他の薬と組み合わせて使用できるかどうか、その場合のオメガ3の最適濃度はどのぐらいかを求めることで、ADHD症状の軽減になるような基礎的なメカニズムを調べることが必要である。

********

軽度ADHDや、副作用があってメチルフェニデートが飲めない子には、オメガ3サプリを使ってみてもいいかも。

オメガ3サプリで効果があるなら、中枢神経刺激薬を減量することができるかもしれない。

これといった副作用はないが、魚油みたいな風味なので、飲みにくいかも。
カプセルが大きいので、子どもには飲みにくいかも。
※ビーズぐらいの大きさのサプリもあるけど。
子どもへの適量がわからない。

そもそも、なんで効くのかが、作用機序も何もわからない。

メチルフェニデートを飲ませてみようかどうしようか、と迷うような場合に、オメガ3サプリを使ってみるのもいいのかも。
とりあえず、サプリなので、医師の処方に関係なく、自由に飲ませてもかまわない。

※メチルフェニデートは、コンサータという名前で市販されています。

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