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地域及び施設で生活する高齢知的・発達障害者の実態把握及びニーズ把握と支援マニュアル作成 [発達障害]

研究代表者 遠藤 浩

厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業 平成26年度 総括・分担研究報告書

平成27(2015)年3月


平成12年に旧厚生省において「知的障害者の高齢化対応検討会」が開催された頃から、高齢知的障害者の支援について興味関心が高まりはじめた。

しかし、検討会では知的障害者の高齢化に向けての指針が示されただけで、その後現在に至るまで、高齢知的障害者の実態ならびにサービス利用、さらには必要とする支援方法や医療的ケア等に関する包括的な調査研究は実施されていない。

高齢化に伴う健康管理や身体的介護・医療的ケアは、若年期・壮年期を中心とした知的障害者の支援方法と大きく異なると予測される。



◎知的障害のない高齢期発達障害者の実態調査

回答のあった77か所の発達障害者支援センターにおける平成25年度内の相談支援・発達支援、及び相談支援・就労支援の実支援人員総数は、56,476人

そのうち50歳以上で確定診断を受けている発達障害者は、84人
確定診断は受けていないが、発達障害の疑いがある人は、59人

確定診断を受けている84人 (男55人、女29人)

診断名 
アスペルガー症候群  42人(50%)
広汎性発達障害  31人(37%)
ADHD  8人(9%)
自閉症  3人(4%)

35歳未満に診断を受けていた人  0人
35~49歳までに診断を受けた人  32人(38%)
50歳以降に診断を受けた人  51人(61%)
不明  1人

概ね壮年期以降に初めて診断を受けている。

そのうち、65歳以上で初めて診断を受けた人は、3人(男2人、女1人)
相談のきっかけ
配偶者からの勧め 2人
自ら発達障害の疑いを持って 1人


高齢期の知的障害のない発達障害者の事例は非常に少数
発達障害支援センターの全相談件数の0.1%

【調査報告書】

2012年には文部科学省調査により、通常の学級に発達障害の可能性のある特別な教育支援を必要とする児童生徒が約6.5%程度の割合で在籍する可能性が示されている(文部科学省,2012)。

しかし、壮年期以降、特に高齢期については、ホームレス支援事業所利用者の内、高齢期の知的障害がない発達障害者が1.4%の割合で利用していた(橋本,2014)調査結果を除き、その実態把握さえなされていないのが現状である。

◎相談のきっかけ

本人 70人(49%)
家族 37人(26%)
その他 職場の人 


◎電話での聞き取り調査結果

娘が母親を連れてきたケースが2件
すぐに感情的になる、攻撃する、叩く、叩いたことを気にかけ自傷する、文字が書けないなど
本人自身には困り感はないが、家族が困っている。

自身で疑いを持って相談に訪れたケース1件
定年まで会社で仕事をしていた。配偶者あり。50歳代で近所の精神科を受診、診断を受ける。
警察とトラブルになっており、自分の状態(発達障害の特性など)をわかってもらえない。
同行して説明してほしい。
⇒同行して説明することで解決し、以後の相談はない。


2013年度に支援センターを利用した50歳以上の発達障害者(疑いがあるものを含む)143人の内、約7割以上の人の生計は「本人の賃金収入」「家族の収入」「年金」であり、障害福祉サービスの対象者は極めてまれである。

本人や家族に何らかの困り感があるものの、職業を持ち、家庭を築き、一般の社会生活を送っているのではないかと想定された。


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本人がきっかけで相談に訪れている人が多いということは、本人の困り感が一番多いのか?
家族もたいがい困っているのだろう。
職場の人、というのもありなのか?
どういうふうに伝えたのだろう。

それでも、発達障害者が若い人たちよりも少ないというのは、それまでの人生をそのままに生きてこられたから、普通に生活を送っているから、今更相談しなくても大丈夫、と思っているからだろうか。

困り感がない人たちには、余計な支援は必要ないと思うが、ホームレスの人たちの中に一定以上の発達障害者がいるのだとしたら、きちんと調査して、支援の手を差し伸べることが急務だろう。


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