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仕事がしたい!発達障害がある人の「就労相談」 梅永雄二:編著 [ASD関連図書]

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発達障害の人の就労支援をしている人のための本ではあるが、仕事がしたくても自分に合う仕事になかなか出会えない当事者の人にもぜひ読んでほしい本。

知的障害のない発達障害の人やグレーゾーンといわれている人たちを中心にしているが、どんな症例の人がどんな支援を受けて就労に至ったか、多くの事例が紹介されているので、自分に似たタイプの人たちがどんな仕事を得ているのかを知ることができる。
また、どこに相談すれば解決に向かえるのか、参考になると思う。

ただし、巻末の章に記載されているように、「当事者の体験談は当事者の特性が多様である以上、簡単に一般化はできない。」のであり、「当事者の成功談を安易に当時者支援に生かそうとするのは禁物」である。

各々の事例には、その課題と支援のポイントなどが紹介されているので、さまざまな相談業務にあたっている人たちが本書を参考にして、発達障害についての理解を深めてほしいものだと思う。



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共通テーマ:仕事

発達障害を持つ子どものサインがわかる本 監修:塩川宏郷 [ASD関連図書]

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私の師匠である塩川先生が監修した本。
2012年に発行された本なので、診断名などは現在のものとは違っているけれど、発達障害についての基礎的な知識や早期発見・早期支援のためにできることなどについては、現在でも有効な内容である。

1歳、2歳、3歳、就学前後ぐらいの時期に気づいてあげたい発達障害のサインや、気づいた後の対処方法について、わかりやすく書かれている。
食事、排泄、睡眠など生活の中での気になる行動やトラブルに、どうやって対処したらいいかのヒントが分かりやすく紹介されているので、子どもの行動に困っているお父さんお母さんには、とても役に立つと思う。

なにより、章の区切りにちりばめられた「コラム」では、「お互い様の社会」を理想とする師匠の思いが綴られていて、本文よりもコラムを読むことをお勧めしたい。
発達障害診断に関わった経験からのエピソードを盛り込んだ第7章も必見。

師匠はめんどくさいというかもしれないが、DSM-5に準拠した診断名に変えて、同じ内容の改訂版を発行していただきたいものだと思う。


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共通テーマ:育児

自閉症だったわたしへ・Ⅱ・Ⅲ ドナ・ウィリアムズ 河野万里子 訳 [ASD関連図書]

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ドナ・ウィリアムズは、1963年にオーストラリアで生まれた女性で、母親からの虐待を受けながら、壮絶な環境の中で生長し、25歳で自閉症の診断を受けた。
この本は、3歳より以前のほんの幼い時の記憶から書き始まり、その時々に感じたこと、考えたことを、詳細に記述している手記であり、自分自身が何者であるかがわからなかった彼女が、自分自身の居場所を探すための、長い旅路を綴ったもので、「自閉症だったわたしへ」「自閉症だったわたしへⅡ」「自閉症だったわたしへⅢ」を合わせると、相当に読み応えのある長編になる。
河野による日本語訳の1冊目が出版されたのは、平成5年(1993年)とあるので、今から24年前になる。

この本を読んだのは、購入記録によれば、2007年だった。
2002年頃、企業の採用担当者だった私は、障害者の採用と雇用管理も担当していた。
障害者のための合同面接会には度々参加していたが、あるとき、特別支援学校の先生に紹介されて、自閉症だという高校3年生と面談することになった。
彼は、私の質問する言葉を、オウム返しのように一度自分で口に出してからでないと、応えられなかった。
彼の側には彼の父親が同席し、心配そうに見守ってはいたが、口は挟まなかった。

当時私の勤務する会社は、身体障害者は雇用していたものの、理工学系の専門知識や技術を持った人に限られていて、知的障害者や精神障害者は一人も採用したことが無く、何とか一人でも受け入れてくれる職場がないかと模索しているところだったが、なかなか引き受けてくれる職場をみつけることはできないままでいた。

自閉症の少年と出会って、なんとか採用したいとは思いつつ、実際の仕事の現場での困難さも重々承知していて、採用に結び付けることはできなかった。

しかし、その時の想いはずっと心の中に有り、自閉症の人たちへの支援はどうすればいいのか、自閉症とはいったいどんなメカニズムで、このような反応をするようになるのか、自閉症についてもっと知りたいと思うようになった。

それまでの知識では、自閉症と知的障害は並存していて、自閉症の本人がどういう風に物事を感じ、考えているのか、知るすべがないと思われていた。
そんなところに出会った「自閉症だったわたしへ」という手記は、まさに、自閉症の本人が、日々の生活や周囲の様を、どの様に感じ、どの様に考えているのかを、自ら表現してくれている、画期的な書物であった。

彼女のいちばん最初の記憶の、光の玉がきらめきながら周囲を飛び回るという夢のような世界や、成長してからの、周りの景色が突然すうっと遠のいていく様、彼女の周りにできた目に見えない壁、彼女の周りにいた友人たちとの出来事など、ドナと自閉症の闘いの様子が語られていて、私にとっては一つひとつが新鮮なものだった。

ドナは成長してから、黄色のレンズのサングラスをかけることで、視覚の過敏さが和らぎ、精神的にも落ち着いて生活できるようになったというようなことが記述されていたが、このような症状に「アーレン症候群」という名前がついていることを知ったのは、2年前に大学院に入学し、発達障害について学び始めてからだった。

3冊全部読み切るのには、とてもエネルギーと持続力が必要だったが、これは、ひとつの言葉から書き始めると、次々に書くべき言葉が溢れてくるという、ドナの自閉症ならではの特性である優れた記憶力のせいなのだろう。
読んでいる方は、その情景が、映画でも見ているように感じられるほど、詳細に記述されているのだ。

「自閉症とはいったい何なのだ?」ということが知りたくて、読み始まった本ではあるが、そして、ドナという1人の女性の抱える自閉症については、だいぶいろいろなことがわかったが、自閉症の世界はもっともっと広くて、私はその入り口を紹介されただけなのだろうと思う。

この本を、もし、自閉症を抱える本人の方が読むのであれば、ドナの闘いの様子や、壁を乗り越えようとするドナの勇気を知ることができ、きっと、新しい勇気や力を貰えるのではないかと思う。
是非、読んでみてほしい本である。

が、残念ながら、この本を今現在、新たに入手することは難しいのかもしれない。
古書店などで、辛抱強く探してみてほしい。







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発達障害 岩波 明:著 文春新書 [ASD関連図書]

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2017年3月20日発行で、成年期以降の発達障害について書かれた本としては、いちばん新しく、発達障害とは何か、という疑問や興味を持つ人に、良く整理されて理解しやすく書かれている。

特に、成年期以降に困難が生じやすいのは、知的な能力が高いために、発達障害が見逃がされてきた人たちについてであり、そういう人たちが主にASDかADHDであることを説明し、どんな問題を抱えているのか、どのように解釈すればいいのかが、よくわかる本であると思う。

第1章から第4章までは、ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如他動性障害)について、及びそれらの共通点と相違点、映像記憶や共感覚、学習障害についてなど、豊富な事例を紹介している。サヴァン症候群はテレビドラマなどで知られるようになった障害であると思うが、それがどのようなメカニズムで起きるのか、「文字に色を感じる」「音に色を感じる」「形に味を感じる」などのシネステジア(共感覚)のために、生活に支障を生じたり、極端な偏食になったりするメカニズムについても説明してくれている。

第5章では、天才と呼ばれた著名人の中の、発達障害と言われている人たちについて、その根拠を説明してくれている。

第6章と第7章では、アスペルガー症候群への誤解が広まった理由について述べ、最近の小学生や少年の殺人事件を例に引き、精神分析の解釈をしながら、本当は発達障害ではなかったと思われる例と、本当に発達障害であった例を説明してくれている。

第8章では、発達障害をどう支援するのか、著者が関わっているデイケアの方法を紹介し、成功例を示してくれている。

*****

発達障害は精神科を受診すれば診断してもらえると多くの人が思っているかもしれないが、発達障害の客観的な診断方法がみつからない限り、判断や診断は医師の主観によるところが大きく、間違った診断がなされていることが多いという現状がよく分かる。

また、少年犯罪が起きた場合、検察側の思いと、少年を弁護する側の思いが交差し、発達障害ではない場合でも、発達障害の診断をつけてしまうという現実もあるそうだ。

それらと、マスコミのセンセーショナルな報道と、不可解なことは発達障害という理由をつける事によって納得したいという、多くの人たちの思いが交錯して、発達障害への誤解が広くなってしまったのだろう。

少年犯罪の発生率は、発達障害と診断された少年群と、発達障害ではない少年群とを比較しても、なんら差がないことは、統計上明らかになっている。

多くの人たちに、発達障害とは何かという知識を持ってもらい、正しい支援が行われるようになってほしい。



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大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版)  監修:梅永雄二 佐々木正美 [ASD関連図書]

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大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版) 単行本 – 2008/8/30
梅永 雄二 , 佐々木 正美

DSM-5が発表される前の本なので、アスペルガー症候群を題されているが、知的障害のない自閉症スペクトラムの方、診断はされていないけど生きにくいなあと思っている方など、仕事や日常生活で不都合を感じている人たちに読んでほしい本。

なぜうまく生きられないのか、人にあわせられない疎外感、仕事に定着できない無力感、誤解と非難がもたらす劣等感などについて、イラストや具体例をたくさん掲載して、自分自身の心のメカニズムを確認できるし、支援の受け方なども具体的に紹介している。

本人だけでなく、ASDらしい人が周囲にいる方、職場にいる方などに、理解いただくための参考書としても、非常に分かりやすい内容になっている。

巻末ごろの支援についての項目では、法律が変わっている部分もあるので、最新の情報については厚労省のHPなどで確認するか、新しく発行された類似の図書などで確認して、受けられる支援などの情報を調べることが必要と思われるが、できれば、この図書の法的部分だけ、最新のものに書き直して改訂版を発行いただければ、当事者にも支援者にもわかりやすいガイドブックになるのになあ。


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自閉症の脳を読み解く―どのように考え、感じているのか テンプル・グランディン (著) [ASD関連図書]

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著者は、自閉症当事者にして大学コロラド州立大学教授の動物学博士。
自閉症のメカニズムを解明するための研究に、自身の脳を提供し、機能的MRIの画像を撮るなど。
自閉症の人の偏桃体などが、定型発達の人よりも明らかに大きいなどの特徴がわかったが、同じような脳の特徴がある人でも、必ずしも自閉症を発症していないことや、脳の顕著な変化が無くても自閉症が発症する場合もある。

結論としては、やはり、自閉症のメカニズムは、未だよくわからないということがわかった、ということ。

自身の体験談から、社会で職業を持つためのアドバイスなども書かれており、当事者でもそうでなくても、一読をお勧めしたい。





タグ: 自閉症
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ぼくはアスペルガー症候群 [ASD関連図書]



ぼくはアスペルガー症候群  権田 真吾 (著)

2011年6月に出版された、当事者の体験談
出版当時の年齢は42歳。
成人になってから、認知症を疑ったのをきっかけに、アスペルガーについて自分で調べ、大人を診てくれる専門医を探して受診したケース。
うつ病という二次障害も経験している。

当事者が書いてくれるものは、とても参考になる。
今まで、いろいろな当事者の体験談を読んだが、こ著者のタイプは、今まで読んだものとはまた少し変わっている。
自閉症スペクトラム障害とは、本当に多様で、一括りにはできないものだと思う。


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ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法 [ASD関連図書]



ぼくはアスペルガーなお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法

2015年11月13日 第1刷発行の新しい本で、著者は整形外科の医師でもある当事者。

ご自分の体験談を書いてくれている本なのかなあと思って読み始めたが、体験談は比較的さらっと書いてあるのみで、アスペルガーの紹介と対処法(お願い)が中心に思えた。

「自分の子どもは発達障害かも」と思い、発達障害について知りたいと思っているお母さんお父さんにとっては、解かりやすく親切に書いてある本。
子どもが困った行動をしたときの考え方や対処方法を書いてくれているのは、いいと思う。

「発達障害」より「非定型発達」と呼んでほしいというのには、同意。

発達障害の分類や、脳の違い、神経伝達物質のことについて、イラスト入りで説明してくれているのは、初心者にもわかりやすいと思われる。
アスペルガーに向いている仕事、向いていない仕事について書いてくれているのは、子育て中の親にとっては、大いに参考になる。

アスペルガーを改善した方法については、研究段階とのことだが、もしかしたら、すごく参考になるのかも。
著者にとっては、とても効果があったらしいので、他の皆さんもやってみていただいて、効果があったのか、そうでもなかったのか、調べてみてくれるといいけど。

ただし、97~98ページの記述は疑問。
「自閉症の子どもは(中略)何らかの原因で、脳の機能に障害が生じて」と書かれてしまうと、妊娠中に何か悪いことをしたからだろうか?と、母親が自分自身を責めることになりかねないと心配する。
「自閉症は治らない病気ではありません」もちょっと。さんざん、「発達障害は、個性だ」と書いているのに、矛盾してしまう。自分に責任を感じた母親が、我が子の自閉症を治そうとして、無理をしてしまうのではないかと心配になる。

ASDの子どもは、できる所を伸ばしてあげて、何か一つ、人よりも優る能力を身につけさせてあげるのが、いいというのは、大いに賛成。
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