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場面緘黙児の発話行動の般化を促進するための学校場面におけるフェーディング法の適用 [緘黙]


松村 茂治  行動療法研究,第18巻,第1号,47~69,平成4年 (1992)

2010/04~明治学院大学 心理学部 教育発達学科 教授
1979/04~2010/03  東京学芸大学 教育学部 教授
1973/04~1975/07東京教育大学大学院 教育学研究科

小学生女児の場面緘黙2事例にフェーディング法を中心とする行動療法的介入
特に、学校場面での介入

場面緘黙への介入効果を見定める観点は、
・発話以外の行動変化があるか
治療場面での行動の般化があるか
・自発的な発語が現れているか

目的:場面緘黙児に対するフェーディング法を中心にした介入を計画的に進めることで“般化の困難性”を 克服するための方策を探ること

般化とは
  人や状況を超え、行動の広がりが確実なものになること。
  →行動変容法では、訓練場面以外の場面で、すべての関連する刺激のもとで標的行動が生起するようになること

会話を可能にしたい現場で介入することが必要。
発話のできなさを共感性、社会性の欠如などの社会的行動の未熟さの中に位置づけて対応していくことが必要。
緘黙症状が出現している場面での不安・緊張感の 軽減が必要。  
場面緘黙の問題形成に及ぼす家族の役割についての研究が必要。


どちらの事例も、担任教師および学校の協力を得ることに成功している。

事例2では、対象児の親友Y子への対応の仕方と、タコ踊りへの対応の仕方に、疑問。
[考察から]
ただし、介入の最終段階では、このY子の存在はややうっとうしいものになった。なぜなら、Y子に対する依頼心が強く、また彼女との相乗的な関係の中で、何度か指摘してきた”悪ふざけ”が出現するようになったからである。放課後の学校での介入や相談室での介入から、Y子をフェードアウトしようとしたことが何度かあったが、しかし対象児自身の抵抗に会いうまくいかなかった。

なぜ、悪ふざけするようになったのか、その時のきっかけは何か。
悪ふざけの意味は何だったのか。
セラピストへの攻撃的な言動は、親しみの現れだったのか。
単なる社会性のなさ、と、解釈するだけでよかったのか?


[現実脱感作 ]
恐怖症に適用する技法。患者は、最初にリラクゼーション法を習得する。次に不安をもたらす刺激について不安階層表を作る。最後に、恐怖反応の拮抗反応としてリラックス状態を維持したまま、不安階層表に従って、最も弱い現実の不安場面から順にその場面を体験する(レイモンド;2006)。

*系統的脱感作法:現実脱感作とほぼ同じ手続きだが、系統的脱感作は場面を体験せずに、イメージするのみ。そのため園田(1977)は知的能力の低い人や子どもにはイメージによる系統的感作は、不適当であるとしている。

・「ご褒美や罰を用意しても、お子さん自身の準備ができていなければ発話の促進には繋がらない」
(マクホルム他(2007)P78)

・「ご褒美で発話させようとプレッシャーをかけることも、お子さんが避けようとする場面の一つになりかねない」
(マクホルム他(2007)P78)

場面緘黙の問題は、社会的行動の発達と関連付けて考えるべき
他者に関心を寄せたり、他者の気持ちを考えて行動するなど、日々の家庭での生活にその基礎を持つ


他者に関心がなく、他者の気持ちが考えられないせいでの緘黙とするならば、緘黙の根っこにも、自閉症に似たものがあるのか?

社会的行動を身につけるには、どのような支援が効果的なのか?

両方の事例とも、父親が子ども時代に同じような緘黙様だったこと、現在もコミュニケーションが不得意なことは、子どもの緘黙にどのような関係があるのか。
遺伝的なものか、それとも、家庭で父親と接触が無いという環境からなのか。

場面緘黙の問題形成に及ぼす家族の役割について、その後の研究事例が知りたい。
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