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特異的言語発達障害児の言語発達-臨床の立場から- [特異的言語発達障害]

石田 宏代   音声言語医学  44:209-215,2003
http://researchmap.jp/read0049705/

■特集 〈軽度発達障害者の言語の問題〉

聴力・対人関係・知能には問題がないが、言語発達が遅れた8歳6か月児の指導経過から言語発達特徴を整理。

① 語彙力が落ちており語想起が悪い。

② 音韻認識の発達が遅れている。

③ 統語面の発達が遅れている。 

④ 聴覚的記憶が視覚的記憶に比べ低下している。

定頸4か月、始歩1歳
始語は1歳だったが、語彙が少なく、2語文の表出は3歳半
4歳で幼稚園に入園したが、単語のみの発話で友達との会話が成立せず
泣き騒いだり、落ち着きなく行動することが多い

5歳から言語訓練を開始
物の名称や人の名前、色名などが覚えられない
質問の意味が分からず、オーム返し
人の話を聞かず、自分の言いたいことだけを言う

就学後も言葉の教室で指導を受ける
某施設で「言語性学習障害」の疑いがあると言われ、7歳5か月時に北里大学病院耳鼻咽喉科を受診

初診時評価:

語想起が悪く、ジェスチャー表現や迂回反応が顕著
自発語は多く、文レベルの表出も見られたが、助詞の脱落や誤用が多く、意味が伝わらず、会話が成立しない

てがみ  →  てまみ
らくだ   →  らくら

文字は読めたが、書字は不完全
行動は落ち着きがなく、自己中心的で情緒的な未熟さあり


DSM-Ⅳによる、受容・表出混合性言語発達障害と診断


指導方法:

① 語彙の拡大

② ひらがなの読み書きの安定化

③ 人の話を注意集中して聞くこと

第1期‥‥本児が習得していない事物の名称、日付、曜日、場所、行事などの絵を呼称させ、それぞれの言葉の意味を説明させた後、書字能力を高めるために単語や文を書かせる。文字が想起できないときは、50音表を使って調べる。

第2期‥‥文の枠組みを与え、助詞に注意を向けた文の表現。「誰が」「何を」などの疑問詞に対して、動作主、対象格に当たる単語を文の中から見つけ出す。

聴覚的短期記憶が視覚記憶よりも低下しているため、それを補うように、有意な視覚刺激を多用し、語と語の関係に気づかせる意味ネットワークを使用した指導を中心とした。

結果:

単語や簡単な文の理解・表出は発達してきた。
自分の考えや感情を整理してまとまった文章として表現することは未熟で、相手に理解されないことが多い。
統語面についての指導法を検討。

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発達特徴から「これは英語圏でいわれている特異的言語発達障害に相当するものと考えられた。」と書いてあるから、診断したわけではないんだね。
2003年に8歳というと、今は成人しているねえ。
どんな青年になっただろうか。
うまく障害を克服して、うまくやっているだろうか。
それとも、学業や社会生活に支障が残っているんだろうか。

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