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学習障害検査・支援法:受講記録(後で追記予定) [発達性読み書き障害]

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受講日:2016年9月1日(木)~2日(金)

ビデオ1:学校や家庭における発達性読み書き障害のある児童

ビデオ2:通常学級の中での支援と指導の例

学習障害の定義:教育界と医学界の共通点と相違点

【教育界】 読み書き・計算・話す聞く・推論、知的機能に遅れは無い

【医学界】 読み書き・算数、知的機能は、年齢から推測される習熟度との差[乖離]

知的障害が無く「話す聞く」に困難がある場合は、「特異的言語障害」、知的障害が無く「読み書き」に困難がある場合は、「発達性読み書き障害=発達性ディスレクシア」

「発達性」とつける理由は、後天的になるディスレクシアがあるから。
例えば、「モヤモヤ病」というのは、アジアの女性に多く発症し、脳の太い血管が梗塞を起こし、周囲に細い血管ができて、X線等で見るとモヤモヤと見えることから付けられた、脳梗塞のため読み書きに障害が出るもの。


◆診断評価方法

1.COLOURED PROGRESSIVE MATRICES (レーヴン漸進的マトリックス検査日本文化科学社

2.抽象語理解力検査
 インテルナ出版

3.PVT-R絵画語い発達検査 日本文化科学社

4.小学生の読み書きスクリーニング インテルナ出版

5.AVLT(Auditory verbal learning Test):音声言語の記憶力検査



※ビデオ1を視聴するには、ユーザ名とパスワードを入力し、プレテストを実施することが必要。
ユーザ名:dyslexia
パスワード:dFaPV7rt

※ビデオ2のユーザ名とパスワードも上記と同様。


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オキシトシンとバソプレシンが、精神疾患のバイオマーカーになりうるのか?ということについて、包括的かつ系統的なレビューと予備的なメタアナリシス [精神疾患]

Peripheral oxytocin and vasopressin: Biomarkers of psychiatric disorders? A comprehensive systematic review and preliminary meta-analysis

オキシトシンとバソプレシンが、精神疾患のバイオマーカーになりうるのか?ということについて、包括的かつ系統的なレビューと予備的なメタアナリシス

オキシトシンには末梢組織で働くホルモンとしての作用、中枢神経での神経伝達物質としての作用がある。

末梢組織では主に平滑筋の収縮に関与し、分娩時に子宮収縮させる。また乳腺の筋線維を収縮させて乳汁分泌を促すなどの働きを持つ。
このため臨床では子宮収縮薬や陣痛促進剤をはじめとして、さまざまな医学的場面で使用されてきており、その歴史は長い。最初は女性に特有な機能に必須なホルモンとして発見されたが、その後、男性にも普遍的に存在することが判明している。
また、視床下部の室傍核 (PVN) や視索上核 (SON) にあるニューロンから分泌され、下垂体後葉をはじめ様々な脳の部位に作用し機能を調節している。

 脳下垂体後葉から分泌されるもう一つのペプチドホルモンであるバソプレッシンは、オキシトシンに比べてわずか1、2個のアミノ酸が入れ換わったものであるが、その生理作用はまったく異なり、血圧上昇ホルモンとして知られ、血圧をあげるほか、腎臓(じんぞう)で水分を再吸収し尿量を調節するために抗利尿ホルモンともよばれる。

オキシトシンは母性のホルモン、バソプレシンは父性のホルモンと言われているが、これが不足すると人に共感する能力が低下して、コミュニケーションに障害を起こすと言われているため、これらのホルモンが精神障害のバイオマーカーになりうるのかどうかを検証したというもの。

結論としては、健常者・精神障害者・ASDで顕著な違いがあることを裏付ける決定的な、説得力のある証拠は見つからなかった、ということ。
それぞれの研究や実験で、方法論の違いやクオリティに差があったため、意味のある結果が欲しいのであれば、今後の研究では、検証され標準化されたものが必要だと述べられている。

自閉症の治療にオキシトシンが効くという話もあるらしいが、なかなか難しそうだ。

こちらは参考↓
「自閉症の子であるホルモンの不足が問題に、他人との共感能力を低下させる」
https://cuta.jp/9618
「オキシトシンとバソプレッシン  場末P科病院の精神科医のblog」
http://blog.livedoor.jp/beziehungswahn/archives/cat_1258808.html


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自閉症を脳回路から見分ける先端人工知能技術を開発―人種を超えたバイオマーカー・自閉症の実体:脳回路の変位― [自閉症]

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自閉症を客観的に診断する決定的な方法がまだ存在しないため、医師の価値観や経験によって、診断に違いがあると思われる。そのため、診断が欲しい当事者や保護者に、必要な診断が得られないという状況が考えられる。

もし、誰もが納得できる客観的な診断方法ができれば、これまでのように多くの時間と手間を減らし、診断を受ける側の多くの負担も軽減できるようになるだろう。

この研究では、自閉スペクトラム症(ASD)を脳回路から見分けるバイマーカーを、世界に先駆けて日本の研究グループが発見したというもの。

安静状態にある脳活動を、10分間MRIで計測し、脳を140個の小領域に分けて、各領域における機能的MRI信号の時間波形を取り出し、任意の2領域間でどの程度似ているかを相関係数として数値化して、ASD当事者と定型発達者の違いなどを調べることで、ASDの自動判別が可能になるそうだ。

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ASDを特徴づける機能的結合は、全体のわずか0.2%(16個)しかないそうで、全脳に分布する29個の小領域を結ぶ結合から構成されていて、それは、右下前頭回や上測頭溝など、先行研究で人の社会機能への関与が示唆されている部分だそう。

16個の機能的結合は、ASD診断の判別に有効なだけではなく、当事者のコミュニケーション障害度を測る指標ともなりそう。

また、この判別法は統合失調症、うつ病、ADHDなど他のデータにも適用して、類似性や違いが定量的に示すことができるようになったとのこと。
ASDと統合失調症の類似性は過去の遺伝子研究でも語られていたが、脳活動や脳回路図に基づいて類似性を示したのは、本研究が初めてだそうだ。

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さらに、今後この研究が進めば、複数のバイオマーカーを多次元的に組み合わせて、複数の精神疾患が脳科学的見地から見直されるようになり、診断と治療、さらには中枢神経系の創薬が進歩的になるだろうとのこと。

はたして、この診断方法は、巷の診断医や専門医に、どのぐらいの期間で普及するのだろうか。
できれば、すぐにでも普及してほしいが、費用も技量も必要なのだろうなあ。


http://www.amed.go.jp/news/release_20160414.html
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特異的言語発達障害児の言語発達-臨床の立場から- [特異的言語発達障害]

石田 宏代   音声言語医学  44:209-215,2003
http://researchmap.jp/read0049705/

■特集 〈軽度発達障害者の言語の問題〉

聴力・対人関係・知能には問題がないが、言語発達が遅れた8歳6か月児の指導経過から言語発達特徴を整理。

① 語彙力が落ちており語想起が悪い。

② 音韻認識の発達が遅れている。

③ 統語面の発達が遅れている。 

④ 聴覚的記憶が視覚的記憶に比べ低下している。

定頸4か月、始歩1歳
始語は1歳だったが、語彙が少なく、2語文の表出は3歳半
4歳で幼稚園に入園したが、単語のみの発話で友達との会話が成立せず
泣き騒いだり、落ち着きなく行動することが多い

5歳から言語訓練を開始
物の名称や人の名前、色名などが覚えられない
質問の意味が分からず、オーム返し
人の話を聞かず、自分の言いたいことだけを言う

就学後も言葉の教室で指導を受ける
某施設で「言語性学習障害」の疑いがあると言われ、7歳5か月時に北里大学病院耳鼻咽喉科を受診

初診時評価:

語想起が悪く、ジェスチャー表現や迂回反応が顕著
自発語は多く、文レベルの表出も見られたが、助詞の脱落や誤用が多く、意味が伝わらず、会話が成立しない

てがみ  →  てまみ
らくだ   →  らくら

文字は読めたが、書字は不完全
行動は落ち着きがなく、自己中心的で情緒的な未熟さあり


DSM-Ⅳによる、受容・表出混合性言語発達障害と診断


指導方法:

① 語彙の拡大

② ひらがなの読み書きの安定化

③ 人の話を注意集中して聞くこと

第1期‥‥本児が習得していない事物の名称、日付、曜日、場所、行事などの絵を呼称させ、それぞれの言葉の意味を説明させた後、書字能力を高めるために単語や文を書かせる。文字が想起できないときは、50音表を使って調べる

第2期‥‥文の枠組みを与え、助詞に注意を向けた文の表現。「誰が」「何を」などの疑問詞に対して、動作主、対象格に当たる単語を文の中から見つけ出す。

聴覚的短期記憶が視覚記憶よりも低下しているため、それを補うように、有意な視覚刺激を多用し、語と語の関係に気づかせる意味ネットワークを使用した指導を中心とした。

結果:

単語や簡単な文の理解・表出は発達してきた。
自分の考えや感情を整理してまとまった文章として表現することは未熟で、相手に理解されないことが多い。
統語面についての指導法を検討。

/////

発達特徴から「これは英語圏でいわれている特異的言語発達障害に相当するものと考えられた。」と書いてあるから、診断したわけではないんだね。
2003年に8歳というと、今は成人しているねえ。
どんな青年になっただろうか。
うまく障害を克服して、うまくやっているだろうか。
それとも、学業や社会生活に支障が残っているんだろうか。

障害者の就労支援に向けた企業の取り組みについて [レポート]


1. 株式会社テミルについて
(1) 会社概要
会社名 株式会社テミル
所在地 東京都港区芝3-6-5 第2佐山ビル3F
連絡先 TEL 03-5730-3337 FAX 03-5730-3338
資本金 2,500万円
設 立 2006年6月2日
役 員 船谷博生(代表取締役・社会福祉士)
権藤延久(取締役・医師)
社名の由来は、「やってみる」「外に出かけてみる」「働いてみる」のテミルから抜き出した言葉であり、ポジティブな姿勢を表す言葉として捉え、会社名とした。
企業理念は、誰もが使いたくなるデザイン、誰もが使える商品の製造、誰もが外に出たくなる環境、誰もが得たいと思う機会を得られる環境を創造することで、障害者と健常者が共存できるユニバーサルな社会を実現すること。
 
(2) 事業内容
(a) アクセシビリティ 調査…企業などの依頼を受け、その商品が高齢者・障害者に配慮したものであるかどうかを、モニター等の協力を得て調査するもの。NTTドコモ、株式会社リコー、社団法人人間生活工学研究センターなどの実績がある。
(b) 感性の評価…商業目的で作成されるデザインに対し、不特定多数の人にどのように評価されているかを調査する。インタビューと生活の視点を基本とし、社会福祉士が中心となって実施している。
(c) Webデザイン…インターネットサイトのアクセシビリティに、デザイン性の高さや感性をくすぐる価値を付加して制作。読売新聞、トヨタ博物館、明治乳業、マクドナルドなどの実績がある。
(d) 発達障害 者就労支援…発達障害者の就労支援(マッチング、フォローサービス、職場内研修)と特例子会社設立コンサルティング。
(e) その他の事業(デザイン・コンサルティング)…保育関連事業(経営改革コンサルティング、プロポーザル の企画支援、社内託児所設立コンサルティング)、DTP関連(各種印刷物に関するクリエイティブディレクション、アートディレクション、デザイン業務)、パッケージデザイン(「使いやすい」「開けやすい」「持ちやすい」など、製品の形状などの開発)、プロダクトデザイン(当事者の視点をもとにした既存の製品・新規製品の評価など)。

(3) テミルプロジェクトについて
   http://temil-project.jp/index.html
(a) 知的障害者が働く授産施設の工賃アップ(将来的には、最低賃金の保証)を目指し、著名なパティシエ、デザイナー、絵本作家などとコラボレーションするもので、複数の授産施設が参加し、菓子の製造販売及びインターネットショップでの通信販売をしているほか、各種イベントへの参加、「B型事業所で働きがいのある人間らしい仕事をつくる-ワークブック・チェックリスト編」などの作成を手掛けている。


(b) プロジェクト内容 
No. 商  品 パティシエ・デザイン 主体となる社会福祉法人・施設等
1 マフィン、ハスカップのコンフィチュール 、アイアシェッケ パティシエ:辻口博啓
デザイン:Laundry ベーカリーショップ こむぎっこ
(社会福祉法人 はるにれの里) 
北海道石狩市花川北1条5丁目171番地
http://www.harunire.or.jp/komugikko/index01.html

2 ガレット デザイン:荒井良二 高槻地域生活総合支援センターぷれいすBe
(社会福祉法人 北摂杉の子会)
大阪府高槻市城北町1丁目6-8 奥野ビル3F
http://www.suginokokai.com/cafebe/

3 ポルポローネ 、ババロア パティシエ:高木康裕
デザイン:村上康成 地域作業所 hana
就労継続支援B型事業所
千葉県木更津市文京6-4-4
http://hana-work.net/

4 フィナンシェ 、マドレーヌ パティシエ:山本隆夫
デザイン:西内としお いずみの家 (社会福祉法人 希望の虹)
就労継続支援B型事業所
長野県飯田市今宮町4丁目5609番地2
http://izuminoie.com/

5 ケーク・オ・フリュイ 、バトンマレショー 、
モナコ パティシエ:神田広達
デザイン:Jason Chapman アトリエ・ポルト (社会福祉法人 愛誠会)
就労継続支援B型事業所
静岡県静岡市葵区薬師4-5
http://www.swc-aisei.or.jp/c_4/p_73.html#porto

6 ベジタブル・ダックワーズ パティシエ:柿沢安耶
デザイン:あだち なみ すだち作業所 (NPO法人 ゆうき福祉会)
就労継続支援B型事業所
埼玉県ふじみ野市ふじみ野1-7-3 シェロスふじみ野
http://sudachisagyousyo.web.fc2.com/products/product7.html

7 生キャラメル パティシエ:小山進
デザイン:C.Creative 鞆の津ミュージアム +Café
(社会福祉法人 創樹会)
広島県福山市鞆町鞆271-1
http://abtm.jp/blog/?p=1538

8 フロランタン 、オレンジケーキ、プリン パティシエ:水野直己
デザイン:長谷川義史 ベーカリー&カフェ ぱすてる
(社会福祉法人 松花苑)
京都府亀岡市大井町小金岐16
http://syokaen.jp/pastel/kashi.php

9 マカロン、焼きドーナツ、プリン パティシエ:和泉光一
デザイン:ふじわらてるえ すずらんの家 (社会福祉法人 すずらんの会)
就労継続支援B型事業所
神奈川県相模原市南区新磯野2丁目11−5
http://www.suzuran.or.jp/suzurancake/suzurancake.html

10 ポルボロン 、オレンジのパウンドケーキ、和三盆ボール パティシエ:横溝春雄
デザイン:たなかしん ソーシャルファーム エッグス & オハナ
(社会福祉法人 俊公会)就労継続支援B型事業所
青森県八戸市大字市川町字尻引前山31-225
http://www.shunkoukai.or.jp/index.html

 協力者紹介ページ http://temil-project.jp/cooperator/index.html

(c) 協賛・後援企業…
・カルピスフーズサービス株式会社 http://www.calpis-cfs.co.jp/
・株式会社クラブハリエ http://www.clubharie.jp
・株式会社シィクリエイティブ http://www.c-creative.net/
・株式会社ヘッズ http://www.heads-jp.com/
・豊栄興産株式会社 http://www.dino-p.jp/
・医療法人社団 福啓会 http://www.tvdc.jp/
・大阪製罐株式会社 http://www.okashinomikata.com/
・かわばたレディスクリニック http://www4.plala.or.jp/kw

(4) 所感
(a) ホームページは美しく作られていて、プロジェクトが複数あることが分かったが、どこにある、どんな作業所をプロデュースしているのか、公開されている内容だけでは解からないことが多かったため、それぞれのお菓子の紹介のページにあるキーワードから検索し、社会福祉法人の名称や所在地などを調べてみた。(例えば、「プリン」と「ぱすてる」では、有名な菓子メーカーが検索されてきてしまうので、別の菓子名やパティシエの名前を使ったりと工夫して検索した。)
(b) 東京の会社なので、てっきり東京周辺の作業所のプロデュースをしていると思っていたが、北海道から関西までと範囲が広いのに驚いた。
(c) 就労継続支援B型事業所であることや社会福祉法人であることが、一般からはわからないようにしている店舗・サイトもあった。

(d) プロジェクトから誕生した菓子はそれぞれの店舗で販売されるほかに、インターネットでの通信販売もされており、頒布会も行われているが、どれだけの売り上げがあり、収益があるのか、それらがそれぞれの施設で働く障害者にどの程度反映されているのか、低賃金の改善にどのぐらい役立っているのかが知りたい。
(e) プロジェクトは、株式会社テミルの事業の一つとして、収益の対象とされているのか、それとも事業とは別の取り組みとして行われているのかが、今一つわからないので、是非見学をさせていただき、仕組みなどについて伺ってみたい。

2. 株式会社 研進について
(1) 会社概要
商 号  株式会社 研進(Kenshin & Co.,ltd.)
所在地
■本店…神奈川県横浜市西区みなとみらい4-10-3-W707
■事務所・福祉工場…神奈川県平塚市上吉沢1520-1
    (社会福祉法人 進和学園「しんわルネッサンス」)
設 立  1974年7月16日
資本金  1,000万円
代表者  代表取締役 出縄 貴史
業務内容
(a) 社会福祉法人進和学園及び連携福祉施設 授産事業推進管理業務
 ホンダ車部品組立加工
 「いのちの森づくり」プロジェクト
 自主製品開発・販売促進
 施設外就労(企業内授産)
(b) 「在宅就業支援団体」業務(厚生労働省 登録番号1400001)
 障害者雇用促進法に規定された「在宅就業障害者支援制度」に基づく企業への発注奨励策を適用
(特例調整金支給実績)本田技研工業(株)(2008年度より/自動車メーカー初)
(株)しまむら(2013年度より/スーパー業界初)
(c) 障害者就労継続に関する指導・支援業務
 どんぐりブラザーズ(いのちの森づくり/福祉施設間連携)
 おやつシスターズ(おやつで社会貢献/福祉施設間連携)
(d) 社会福祉事業に関する企画・調査・研究・管理・コンサルティング業務
(e) 提携店舗:ホットケーキ・パーラーFru-Full(フルフル)

(2) ホンダ車部品組立加工事業について
(a) 設立経緯
・1958年 社会福祉法人 進和学園を発足(知的障害児40人)…農村復興に従事した出縄意太郎氏の遺産をもとに、自宅を開放して開設。児童の成長に伴い、1978年には成人施設に転換。
・1974年 進和職業センターを開設(入所60人、通所60人)学園理事長はソニー(株)井深氏
・1974年 進和学園の営業窓口として、株式会社 研進の設立(本田技研の「研」と進和学園の「進」から)…学園理事 出縄氏が本田技研工業(株)に勤務した経歴から、ホンダ車部品組み立て加工の仕事を請け負う道が開けた。知的障害者に直接雇用による就業の場を提供するという先進的な取り組み。
・2006年 しんわルネッサンス(就労継続支援事業A型:福祉工場30人、社会就労センター70人)の稼働…障害者自立支援法施行に伴う福祉サービスの展開、雇用型と非雇用型施設の併設により、各人の能力・ニーズに対応した高付加価値就労の機会創出を目指す。
(b) トピックス
・連携福祉施設との協働/精神障害者の就労支援…社会福祉法人小田原支援センター(知的障害者、精神障害者)に仕事の一部を委託。
・2007年~ 品質マネジメントシステム(ISO9001)認証を知的障害部門として日本で初めて取得。
・2008年~ 障害者雇用促進法に規定された、在宅就業障害者支援制度 に基づく特別調整金を、自動車メーカーとして初めてホンダが適用された。
・2013年~ 研進が仲介するホンダ車部品事業が、福祉と企業の連携好事例として評価され、JICA(国際協力機構)主催の研修視察先に選定される。
・2015年 障害者優先調達推進法の趣旨に基づく表彰制度により、第1回目の厚生労働大臣賞を本田技研工業(株)が受賞。
(c) 契約形態
・売買契約・部品取引基本契約…本田技研工業(株)の部品支給メーカー(約60社)から部品を購入し、組み立て加工を行った完成品を本田技研工業(株)に納品する。
・組み立て加工委託契約…社会福祉法人進和学園および社会福祉法人小田原支援センターに部品の組み立て作業を委託。
・輸送/納入代行契約…(株)ホンダロジスティクス(物流業者)に完成部品の輸送及び納入代行業務を依頼。
・在宅就業契約…社会福祉法人進和学園(就労移行支援事業・就労継続支援B型)の利用者約150人と在宅就業障害者支援制度に基づく在宅就業契約を締結。(本田技研工業(株)に障害者雇用納付金制度に基づく特例調整金が支給されている。)
(d) (株)研進の主な役割
・発注事業者・支給部品メーカーとの売買契約及び資金繰り
・コスト負担管理
・リスク管理(部品の所有者リスク管理)
・在宅就業支援団体業務…利用者との在宅就業契約の締結、本田技研工業(株)に支払われる特例調整金にかかる工賃証明書の発行。(進和学園及び小田原支援センターとは無償契約で加工賃のみを決済→リスク負担の回避)
(e) その他資料
           「しんわルネッサンス」における平均月額工賃支給実績
年 度 就労継続支援A型(雇用型)   就労継続支援B型(非雇用型)
2008  167,790円  55,076円
2009  164,020円 (▲ 2.2%)  55,378円 (+ 0.5%)
2010  133,920円 (▲ 18.4%)  41,480円 (▲ 25.1%)
2011  139,650円 (+ 4.3%)  43,819円 (+ 5.6%)
2012  141,296円 (+ 1.2%)   44,037円 (+ 0.5%)
2013  148,278円 (+ 4.9%)  45,225円 (+ 2.7%)
2014   153,062円 (+ 3.2%)   46,799円 (+ 3.5%)
2015   159,164円 (+ 4.0%)  47,740円 (+ 2.0%)
①リーマンショックに伴う世界的不況の影響を受け、2010年度に大幅な減額を余儀なくされた。
ホンダ車部品の組立加工を中心に、事業の再編・多角化にも取り組み、工賃水準の維持向上に尽力している。「しんわルネッサンス」の平均月額工賃は、A型(雇用型)は、全国平均の2倍以上、B型(非雇用型)は3倍以上。
(全国平均 ⇒ A型:68,691円、B型:14,190円-2012年度-)
厚生労働省資料:平成24年度(2012年度)障害者就労支援施設の平均月額工賃
②「しんわルネッサンス」定員:A型(雇用型)20名、B型(非雇用型)80名、就労移行支援事業20名、合計120名(2015年3月末現在)

(3) 「いのちの森づくり」プロジェクトについて
(a) 概要
・社会福祉法人進和学園と株式会社研進が協力して取り組んでいるプロジェクトで、宮脇昭氏(横浜国立大学名誉教授)が提唱した潜在自然植生理論 に基づく「その土地本来の木による本物の森づくり」を目指した、ドングリや木の実から植樹用のポット苗を栽培する取り組み。(2006年10月1日に発足)
・発足直後は、「進和あさひホーム」のビニルハウスが栽培拠点となった。学園では、これまで平塚市の花「ナデシコ」や「あじさい」などの栽培実績があり、「進和あさひホーム」が中心的な役割を果たして来た。
・2007年5月、本格的な栽培拠点である「どんぐりハウス」(平塚市飯島)が稼動。
・宮脇方式による植樹活動を実践しているボランティア・グループ「まじぇる会」との交流、エスペックミック(株)(愛知県丹羽郡)から、栽培上の専門的な知識、技術、ノウハウなどの指導を受ける。
・育てた苗木は、協力施設での委託販売のほか、各地の植樹祭への提供、公共スペースへの植樹のための寄贈、被災地復興のための環境保全への寄贈などに役立てている。
・「進和学園いのちの森づくり友の会」で一般に賛同者を求め、会費を基金に充てている。(個人会員一口年1,000円、団体会員一口年10,000円)
(b) 実績
・連携…どんぐりハウス・まじぇるハウス、どんぐりブラザーズ
・苗木の栽培及び育樹作業を業務委託し、委託料を作業メンバーの工賃に還元
・苗木栽培の委託先…社会福祉法人湘南の凪・えいむ(生活介護:逗子市)、社会福祉法人県央福祉会・パステルファームワーキングセンター(生活介護:相模原市)、NPO法人パソボラサークル(就労継続支援B型:小田原市)、社会福祉法人よこすか黎明会・横須賀ヘーメット(生活介護:横須賀市)、社会福祉法人あすなろの会・みとおし(就労継続支援B型:山梨県都留市)
・育樹(植樹した場所の草むしり)作業の委託先…上記栽培委託先に加え、小田原支援センター、足柄緑の会(コスモス学園)、NPO法人時ノ寿の森クラブ他複数の福祉施設
・苗木の出荷実績
進和学園「いのちの森づくり」苗木の出荷実績(2016.3.31 現在)                
年 度     苗木の出荷本数 (内、「友の会」基金活用分)  
2009    11,986本  ( 2,704本)
2010    24,243本  ( 3,675本)
2011    28,064本  ( 3,534本)
2012    39,650本  (14,476本)
2013    38,607本  (17,594本)
2014        22,489本   (10,967本)
2015       20,392本  ( 8,381本)
合  計   185,431本  (61,331本)
・樹種別出荷実績(ベスト10)
2014年度 進和学園「いのちの森づくり」樹種別 出荷実績
樹 種 本 数 (累 計) 樹 種 本 数 (累 計)
1 タブノキ 3,580(21,020) 7 シャリンバイ 955( 4,815)
2 シラカシ 2,772(24,144) 8 トベラ 706( 3,029)
3 スダジイ 2,257(19,153) 9 ヤブツバキ 484( 2,300)
4 アラカシ 1,958(18,319) 10 マサキ 458( 1,554)
5 アカガシ 1,085(14,209) その他 7,246( 47,409)
6 ネズミモチ 988( 9,087) 合計 22,489(165,039)
・主な「いのちの森づくり基金」協力企業・団体(年間10万円・累計30万円以上)
(株)サン・ライフ(神奈川県平塚市)、本田技研工業(株)(東京都港区)、公益社団法人 国土緑化推進機構「緑の基金」(東京都千代田区)、(株)ラッシュジャパン(神奈川県愛甲郡)、日本郵便株式会社 平成26年度年賀寄付金配分助成、Fru-Full(フルフル)(東京赤坂&梅が丘)、花王・みんなの森づくり活動助成、公益財団法人高原環境財団、横浜銀行、環境まちづくりNPOエコメッセ、高千穂のホームサービス推進会(横浜市)、(株)ホンダプリモ神奈川南、公益財団法人日揮社会福祉財団(横浜市)、(株)トヤマ(神奈川県座間市)、ミドリ安全(株)(東京広尾)、(有)石田電設(平塚市)、MS&ADゆにぞんスマイルクラブ/三井住友海上グループ、日本生命労働組合平塚支部、親切会/日立製作所グループ、SMBC日興証券(株)(東京都千代田区)、三菱重工業(株)横浜製作所、ブルーベリーガーデン旭(神奈川県足柄市)、(有)沖田鏨井設備工業(平塚市)

(4) その他の取り組み
(a) 湘南工房(農産品加工)…学園利用者(主に知的障害者)の働く場を一層広げ、地域の農業を活性化する方法として、地元住民や農協、NPO法人等がネットワークを築いて連携、湘南地区で収穫したトマトやミカンからジュースやジャムを作り「湘南工房」のブランド名で販売
(b) Litlle Tree(リトルツリー)…ホットケーキ専門店(研進直営店)から、東京・赤坂のホットケーキ・パーラーFru-Full(フルフル)に発展

(5) 所感
(a) 株式会社 研進は、社会福祉法人進和学園の営業窓口として設立されたとあるが、ホームページを見ていると、企業としての業務と法人としての活動の境目がよくわからない。研進の採用情報では、求める人材として福祉への視点がある人となっており、「いのちの森づくり」プロジェクトの支援も業務内容になっている。
(b) 取り組んでいることの範囲が広すぎて、活動を全部は追いきれなかった。また、「いのちの森づくり」プロジェクトでは、協力・賛同している企業が非常に多いということにも驚く。
(c) 「福祉的就労・工賃倍増計画」の狙い通り、しんわルネッサンスのA型・B型とも工賃が一般の事業所よりも高い。A型では公務員の初任給とほぼ同等であり、就労者の自立が実現できるように思える。
(d) 「いのちの森づくり」では、障害者に作業工賃が支払われているようだが、金額は明記されていない。賛同企業からの寄付金が主に工賃の原資と思われるため、工賃はあまり高額ではなく、賃金目的ではなくて、作業に参加する喜びや樹木の生長を見る喜びが目的となっているのかもしれない。

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第115回 日本小児精神神経学会「発達障害と地域療育」参加レポート [学会レポート]

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1.日時・場所  2016年6月25日(土)~26日(日)  横浜・関内ホール

2.プログラムと概要・感想
[5月15日(土)]
(1) 一般演題A ~発達支援(1)~
A-1 発達障害を主訴に高アンモニア血症がみられ門脈大循環シャントと診断された2歳3か月男児例:小児科医による器質的疾患除外の重要性…茨城東病院の小児科医が、北茨城市の発達障害健診で「言葉の遅れと視線が合わないこと」と紹介された2歳3か月男児を診察したところ、門脈大循環シャント が発見されたとのこと。ASD児の約1割に器質的疾患が認められているそうで、小児科医でもわからないことがあるようだ。
A-2 未就学児への早期支援を目指した発達障害診断システム改定の試み…発達障害を疑って受診しようとしている児童の待期期間が長期化しているため、発達障害の初診外来と一般の初診外来を分け、発達障害初診外来では相談員の問診をすることにしたところ、受診待機期間が平均57.4日から26.4日へと約1か月間短縮された。ただし、医師の診察時間短縮のため説明時間が不十分になることが課題。工夫次第で待機期間短縮も対策できるものであるようだ。
A-3 当診療所における開設後1年間の受診者の現状…全受診者104名、身体14名、ASD50名、ADHD5名、その他2名で、発達障害・情緒障害が84.6%。小児科医でも精神疾患や情緒的な問題への理解が必要だという考察。(理解の無い小児科医が多いのだろうかという疑問)
A-4 静岡医療福祉センターにおける発達障害児の年度別推移…新版K式発達検査のカルテから調査し、平成18年と27年の割合を比較したもの。初診年齢が低くなり、早期受診が進んだと言えるが、疾患別では、発達障害児が49%から78.5%と大幅に増加した。さらに知的発達の無い児が増加しているため、親支援や地域との縦横連携の強化が必要。
A-5 精神科病院に設置されたこども発達センター:開設1年後の現状と課題…一宮市は財政が困難だったため、既存の精神病院の中に子ども発達センターを作った(民間の費用で保険診療が可能であることがメリット)が、1年間の初診人数が1,400人を超え、受診人数が想定を大幅に上回ったため、持続可能な体制を整えることが急務。
A-6 横浜市西部地域療育センターにおける学齢新患の特徴-なぜ幼児期に受診しなかったか-…学齢期になってから初めて受診するケースが多いのはなぜかということについて、幼児期には適応しており何も問題を感じていなかった、知的障害がないので発見されなかったが学齢期になって顕在化した、家庭機能に脆弱性があり適切な受信ができなかったなどと考察。

(2) 特別講演「合理的配慮」の視点から見た発達障害と特別支援教育
柘植 雅義 筑波大学人間系 障害科学域知的・発達・行動障害学分野
「障害」という言葉は日本では1種類しかないが、インペアメント、ディスアビリティ、ディスオーダー、ハンディキャップというように国や地域で言い方が違い、その概念も違う。それに対して「合理的配慮」という言葉は全世界共通で、サービスを受ける側と提供する側との共通言語である。世の中には誤解と偏見による障害者差別がまかり通っている(タクシーが障害者を乗車拒否するなど)が、障害者差別禁止法により、違反行為になる。支援は手帳の所持の有無には限らない。一人の障害者のための配慮ではなく、誰にとっても利用しやすい環境を作るなら、それは、個別的配慮ではなく、基礎的環境整備になる。学校での基礎的環境整備を進めるには、現在の教師の認識に差があり、それをなくしていく必要がある。
参考:インクルDB(国立特別支援教育総合研究所) http://inclusive.nise.go.jp/
○その他、書籍や記事の紹介多数。スピーディーで面白いお話だった。

(3) 一般演題B ~発達支援(2)~
B-1 学校訪問を契機に、診療が大きく展開した2例…診断した子どもの学校を、医師が自発的に訪問し、問題が解決した例を紹介。(母親の支援体制、担任教師への指導・支援を強化など)なぜ解決したのか具体的な説明は無し。関係機関からの依頼があったわけではなく、どういう仕組みで訪問したのかも疑問。
B-2 二次障害を予防する学校教育の改革-医療従事者と教育関係者の連携に基づく学校支援-小学校の授業で「おとなりさん」同士が支え合う共同学習の手法を取り入れたところ、子どものイライラ感や疲労感が減り、保健室利用者が減った。医療従事者が参加した教科指導改善で、二次障害の予防に成果があったという報告。
B-3 幼児期に運動プログラムを経験した児童の小学校での行動特性について…平成25年度から3年間、運動プログラムを実施した学年、実施しない学年の追跡調査をし、実施した学年ではクラスの纏まりや落ち着きが見られ、実施しない学年では問題を有する児童の割合が増えた。(参加した子どもに不利益があるような、こんな実験やってもいいの?)
B-4 発達外来に通う子供の事故 その特徴…PDD、ADHDなどの診断のある子どもの受傷時の原因や状況を調査し、衝動性の高さ、視覚転動性の高さ、不器用さ、視覚認知の課題から事故につながったと考えられるため、保護者には日ごろから事故予防を啓発していく必要がある。
B-5 小児期に医療機関を受診した広汎性発達障害者の就労状況-親へのアンケート調査から-…18歳以上のPDDの就労状況を調査し、一般就労21%、障害者枠就労14%、福祉的就労33%。最終学歴別では支援学校卒が一番高く、高等教育を受けたものよりも就労支援が手厚いと考えられる。

(4) 一般演題C ~発達支援(3)~
C-1 広汎性発達障害を併存した場面緘黙児一事例に対する言語聴覚療法の経過…言語聴覚士が関わって、場面緘黙が改善した事例の紹介。
C-2 離島での地域療育について-病院STの立場から-…小豆島の病院で、発達障害や言語発達遅滞の子どもに言語聴覚士が関わっているが、離島では制限があるため、行政も巻き込んだシステム整備が必要であるという提言。
C-3 学習の困難を主訴に受診し音読検査を施行された症例の臨床的特徴…ディスレクシアの子どもの症例について。ASDやADHDとの併存も考慮する必要がある。
C-4 スタージウェーバー症候群の発達予後に関する検討…スタージウェーバー症候群は神経皮膚症候群の一つで、約40%に知的障害や多動、情緒障害が見られるため、心理社会的側面からの支援が必要である。
C-5 全国の児童相談所における療育手帳判定に関する調査…療育手帳制度に法的な裏付けがないので、全国69自治体の228か所の児童相談所にアンケート調査を実施し、判定にどんな尺度を用いているのかを調べた結果、自治体間の差異が非常に大きく、不利益、混乱、不平等につながると推測された。
C-6 自閉スペクトラム症の子どものCHC理論 に基づくWISC-Ⅳプロフィールの検討…ASDと診断された子どもについて検討し、ウェクスラー検査ではASDの認知障害の多くは説明できないが、CHC理論に基づいたWISC-Ⅳ解釈では、流動性処理と視覚処理、ワーキングメモリーと短期記憶を分けてとらえやすいので、ASDには有用性があると思われる。

(5) イブニングセミナー『道なきところに道を-小児療育相談センターにおける発達障害児への治療-』(ヤンセンファーマ株式会社共催)…聴きませんでした。

[5月26日(日)]
(1) 基調講演『地域療育における医療の役割:支援に役立つ診断とフォロー』
原 仁  社会福祉法人青い鳥 小児療育相談センター
発達障害の診断には、インフルエンザの診断キットのような決め手があるわけではなく、医師の観察する目と聴く力に依存する。
発達障害の診断の経験は、先輩医師の診療に陪席し、先輩医師の診察を真似し、とにかくたくさんの子どもに会って自分のスタイルを確立していくしかない。演者が30年余りの発達障害医療の中で行ってきたのは、神経学的微兆候(ソフトサイン)を診ること。ただし、ソフトサインが有用なのは、4~5歳から11~12歳児まで。この年齢の子どもたちを半年から1年ぐらい診療を続けていき、発達の変化を観察する。経過評価によって、一度確定した診断が変更されることもありうる。
○発達障害の診断が医師の能力や価値観に左右されているとは、驚き。ソフトサインが役に立つと言っても、それも医師の能力に左右されると思われる。

(2) 一般演題D ~低出生体重児・乳児~
D-1 極低出生体重児と自閉スペクトラム症児の発達特徴の比較-マッチドケースコントロール研究-  
D-2 極低出生体重児の行動上の問題と知的能力の特徴
D-3 極低出生体重児におけるビジョントレーニングの有効性
D-4 ASDへの早期支援をめざした4か月児健診での取り組み(第1報)-赤ちゃん動作テストの有効性について-
D-5 ASDへの早期支援をめざした4か月児健診での取り組み(第2報)-事例を通した支援の検討-

(3) 教育講演『発達支援における心理の役割』
辻井 正次  中京大学現代社会学部
発達障害の診断には、唯一医師の診断が必要だが、それでは医師がパンクしてしまう。発達障害の支援は(一部のADHDを除いて)薬物治療ではなく、子育て支援、保育(幼児教育)・教育・福祉であり、それらの現場の人たちが診断と支援のためのアセスメントツールを利用できることが必要。例えば、保育記録35項目の評価尺度から、7つの要素に分類して判断し、さらに小学校に情報をつなげるなど、保育士ができる行動評価。必要な発達支援を実践するために、心理専門家がエビデンスのある支援技術を提供していくことが求められる。
その他、「そのうち何とかなる」「愛情をもって育てれば」は、保育者のロマン。社会モデルのはずなのに、いまだに療育センターに任されているのはおかしい。放課後デイサービスとか急激に増えているけど、玉石混交、もっとレベルを上げていく必要がある。インクルーシブな支援は、現場の工夫や理念に任されるだけでなく、普通の保育士が実践できるようなプログラムが必要。厚労省が事業化しているペアレントプログラムは、認知行動療法に近い。
参考:「SPACE(共同注意のスキルを測る検査)」「JASPER」(現在開発中)
○前公演の原先生に真っ向から反対するような内容。誰もが客観的に判断できるような検査は必要だと思う。どんどん批判の言葉を発言する面白い先生。

(4) 一般演題E ~愛着・レジリエンス・不適応~
E-1 愛着形成に焦点づけた早期環境調整支援の効果について  
E-2 レジリエンスを認めた症例を考える
E-3 子どもの心の診療を困難にする家庭基盤の脆弱さについての検討-ひとり親家庭の分析を中心に-
E-4 発達障害の子どもに対する2Eの観点からのアプローチ
E-5 非行少年の表情識別能力についての検討Ⅱ
E-6 臨床家からみたASD当事者に生起している心身症との共存状態の検討

(5) 一般演題F ~観察と介入~
F-1 保護者支援におけるペアレント・プログラムの効果-1-発達に困難のある子どもの保護者へのプログラムの効果検討
F-2 保護者支援におけるペアレント・プログラムの効果-2-研修参加の支援者および運営面における効果
F-3 当院における個別ペアレントトレーニングの試み
F-4 統合保育における自閉症児の対人関係の広がりと行動の変化についての検討
F-5 行動分析に基づいた介入を行った思春期女子ASDの2事例
F-6 「小児の精神と神経」は何を議論してきたか

http://www.jsppn.jp/115/115info.html
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ビバ!インクルージョン 私が療育・特別支援教育の伝道師にならなったワケ [参考図書]

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柴田靖子 著    現代書館 発行

著者は、水頭症の二人のお子さんを持つお母さん
二人の子どもたちは、どちらも、自力で立てず、移動できず、手指が不自由で、視力も弱く、言葉を発して意思を伝えることができないのは同じだが、お姉ちゃんは特別支援学校に入学し、弟くんは地元の普通の小学校に入った。
お姉ちゃんの特別支援学校での体験から、療育や特別支援教育に疑問を持ったこと、本当の意味でのインクルーシブ教育がどんなものかということを教えてくれていると思う。

一般企業で障害者雇用業務に就いている時代には、ある程度、障害者に関わる法律も知っているつもりだったけど、仕事から離れている10年ほどの間に、法律はどんどん変わっていて、大学院で障害科学を学び始めてから、その変化に少なからず驚いたわけだが、その変わり方は、障害のある当事者にとって、望ましいものではない。

大学院で学び始めた当初に知って、これからどんどん良くなると期待を持ったのが、「インクルーシブ教育」で、障害のある人も無い人も、同じ環境で学び、一緒に生活できるようになるなんて、素晴らしいけど、きっと実現するまでには大変な困難があるんだろうと思った。

同時に、特別支援教育についても少しずつ勉強してきたが、この大学で教えてくれている特別支援教育のあり方は、とても納得できるもので、子ども一人ひとりに向き合って、できることとできないことを明確にし、できることを伸ばしてあげるし、言葉を発しない子どもにも、いろんなしぐさや視線や微妙な表情の変化で意思をくみ取る努力をするし、その意思を尊重するように努めるとか、こんな学校なら、きっと、どんな子どもも自分の能力を最大限に生かせるようになるんだろうなあと考えていた。

でも、この本の著者が出会った特別支援教育は、全く違っていた。
できないことをできるようにする訓練、できるようにはならないのに、子どもに苦痛を与えるだけの訓練や、子どもたちの意思を無視した生活、意思を持たないようにさせるための場所が、特別支援学校のようだった。

私が大学で学んでいることは、ある意味、理想であり、幻想であって、現実は違ったものなんだろうと思う。

一方、一緒に保育園で育った友だちと同じ小学校に上がった弟くんが体験したことは、まるで違っていたわけで、その小学校は「万人のための学校」に成長できそうだという。
弟くんを取り巻く人たちも、日々、経験し、学び、障害のある人たちと場を共有することができるようになっているのだろう。

障害者とそうでない人たちが、分けられているから、出会う機会がないから、話したり一緒に過ごしたりする機会がないから、なかなか理解し合うことができないんだと思う。
であれば、分けずに、一緒に過ごすことが、一番大切なことだろう。

それが実現できるなら、これからのインクルーシブ教育にはとても期待が持てる。
そのためには、まず、現場の先生たちに、もっと知ってほしいことや学んでほしいことがあるから、そうそう簡単にはいかないのだと思うが。

二人のお子さんを別々の学校に入学させたことで、いろいろな違いが分かったことや、様々な体験とその折々の気持ちを、このような本に記してくれたことは、大変な感謝である。

できれば、より多くの人に、この本を読んでいただきたいものである。


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地域及び施設で生活する高齢知的・発達障害者の実態把握及びニーズ把握と支援マニュアル作成 [発達障害]

研究代表者 遠藤 浩

厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業 平成26年度 総括・分担研究報告書

平成27(2015)年3月


平成12年に旧厚生省において「知的障害者の高齢化対応検討会」が開催された頃から、高齢知的障害者の支援について興味関心が高まりはじめた。

しかし、検討会では知的障害者の高齢化に向けての指針が示されただけで、その後現在に至るまで、高齢知的障害者の実態ならびにサービス利用、さらには必要とする支援方法や医療的ケア等に関する包括的な調査研究は実施されていない。

高齢化に伴う健康管理や身体的介護・医療的ケアは、若年期・壮年期を中心とした知的障害者の支援方法と大きく異なると予測される。



◎知的障害のない高齢期発達障害者の実態調査

回答のあった77か所の発達障害者支援センターにおける平成25年度内の相談支援・発達支援、及び相談支援・就労支援の実支援人員総数は、56,476人

そのうち50歳以上で確定診断を受けている発達障害者は、84人
確定診断は受けていないが、発達障害の疑いがある人は、59人

確定診断を受けている84人 (男55人、女29人)

診断名 
アスペルガー症候群  42人(50%)
広汎性発達障害  31人(37%)
ADHD  8人(9%)
自閉症  3人(4%)

35歳未満に診断を受けていた人  0人
35~49歳までに診断を受けた人  32人(38%)
50歳以降に診断を受けた人  51人(61%)
不明  1人

概ね壮年期以降に初めて診断を受けている。

そのうち、65歳以上で初めて診断を受けた人は、3人(男2人、女1人)
相談のきっかけ
配偶者からの勧め 2人
自ら発達障害の疑いを持って 1人


高齢期の知的障害のない発達障害者の事例は非常に少数
発達障害支援センターの全相談件数の0.1%

【調査報告書】

2012年には文部科学省調査により、通常の学級に発達障害の可能性のある特別な教育支援を必要とする児童生徒が約6.5%程度の割合で在籍する可能性が示されている(文部科学省,2012)。

しかし、壮年期以降、特に高齢期については、ホームレス支援事業所利用者の内、高齢期の知的障害がない発達障害者が1.4%の割合で利用していた(橋本,2014)調査結果を除き、その実態把握さえなされていないのが現状である。

◎相談のきっかけ

本人 70人(49%)
家族 37人(26%)
その他 職場の人 


◎電話での聞き取り調査結果

娘が母親を連れてきたケースが2件
すぐに感情的になる、攻撃する、叩く、叩いたことを気にかけ自傷する、文字が書けないなど
本人自身には困り感はないが、家族が困っている。

自身で疑いを持って相談に訪れたケース1件
定年まで会社で仕事をしていた。配偶者あり。50歳代で近所の精神科を受診、診断を受ける。
警察とトラブルになっており、自分の状態(発達障害の特性など)をわかってもらえない。
同行して説明してほしい。
⇒同行して説明することで解決し、以後の相談はない。


2013年度に支援センターを利用した50歳以上の発達障害者(疑いがあるものを含む)143人の内、約7割以上の人の生計は「本人の賃金収入」「家族の収入」「年金」であり、障害福祉サービスの対象者は極めてまれである。

本人や家族に何らかの困り感があるものの、職業を持ち、家庭を築き、一般の社会生活を送っているのではないかと想定された。


-------


本人がきっかけで相談に訪れている人が多いということは、本人の困り感が一番多いのか?
家族もたいがい困っているのだろう。
職場の人、というのもありなのか?
どういうふうに伝えたのだろう。

それでも、発達障害者が若い人たちよりも少ないというのは、それまでの人生をそのままに生きてこられたから、普通に生活を送っているから、今更相談しなくても大丈夫、と思っているからだろうか。

困り感がない人たちには、余計な支援は必要ないと思うが、ホームレスの人たちの中に一定以上の発達障害者がいるのだとしたら、きちんと調査して、支援の手を差し伸べることが急務だろう。


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地域で孤立する成人を支援の場にどうつなげていくのか [発達障害]

萩原 拓 (北海道教育大学)

臨床心理学 第14巻第2号 2014年3月 203-207

・地域での孤立に至る経緯

大学の理系専攻によく見られる研究室での勉強や実験は、クラス単位制とは異なり、専門をテーマとする集団環境であるため、ASDのある人々にとっては過ごしやすい環境であることが多い。

学校を卒業すると、就労などの場合を除き、集団を形成する枠はほとんど目に見えなくなる。

適応スキルレベルの低い発達障害のある成人たちにとっては、安心して過ごせる「居場所」は、地域社会ではなかなか見いだせない。

・地域の福祉サービスによるつながりのイニシアティブ

全国の発達障害の支援機関は、特別支援教育の発足をきっかけに教育・福祉双方において拡大及び充実してきている。

発達障害支援センターや就労訓練期間、NPOサポート機関など、多種の支援機関が存在している一方で、具体的に一貫した地域サービスが確立していないのが現状である。

成人の当事者の多くが青年期以降で診断を受けている現在、大人になってから初めて支援機関を必要とする場合、まずどこに行ったらいいのか戸惑ってしまう。

診断を受けてはいないが自身の発達障害特性に加えて、社会不適応によるこれまでの人生のネガティブ体験などの蓄積により、精神疾患に至らなくても無気力やひきこもりなどの現状に至ってしまっている人々のサポートをする支援機関の存在が地域において明確になっていないことも大きな課題である。


発達障害のある成人を支援につなげる道筋は、現在、青写真のない、または未完成の状態である。

支援サービスの充実が地域において顕在化することは、彼らを支援へとつなぐ最短の道筋ではないだろうか。


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自己肯定感をなくしている当事者にとって、相談窓口の連絡先を探すのも、一苦労だと思うし、たいがいは電話をかけて相談の予約することを求められているけど、電話を掛けるのもハードルが高いのではないかしらん。
で、勇気を振り絞って電話をして、事務的な対応だったり、予約が取れるのが何か月も先だったり、その予約の電話を掛けるにも数週間後の時期を待たなくちゃならなかったりしたら、もう、次に電話する勇気はなくなると思う。

電話じゃない方法で、簡単に、すぐに予約が取れるようになればいいと思うんだけど。

Webサイトも、もう少し、見つけやすい方がいい。

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働く発達障害者を支える [発達障害]

廣 尚典 (産業医科大学産業生態科学研究所精神保健学)
永田 昌子 (産業医科大学産業医実務研修センター)

ストレス科学 2015,30,35-38

成人の発達障害、その中でも特に知的障害を伴わない例が注目を集めており、産業保健の領域においても、それに該当する労働者への支援の在り方が議論されるようになってきた。

就労後にその特性が職場内で顕在化したり、専門機関の受診を促され診断に至る例が少なくない。

抑うつ症状の再燃・再発により休業を繰り返す例の一部に、発達障害の特徴が見出されることが報告されている。

・指示命令が伝わりにくい
・言動が軽率
・不注意によるミス
・場の雰囲気がつかめない臨機応変の対応が困難
・常識が欠けている
・本質的でないところへのこだわりが強い
・協調性が乏しい

上司の視点

・業務内容の指示や進捗管理に手間がかかる
・他の部下や同僚の不満が高まる
・当該労働者が引き起こした業務上トラブルの処理に時間が取られる

特性上苦痛を強く感じる職場環境下で業務を継続することにより、あるいは、苦手とする職務を担当することにより、ストレスを高めて、他のメンタルヘルス不調を併発する可能性がある。

感覚過敏、聴覚などの選択的注意および自律神経系の脆弱性の問題、失認、協調運動に関する障害、社会性

職場において「発達障害」か否かをはっきりさせることは、
(本来は必要ではないが)
他の健康障害では当てはまらない特殊性の高い配慮が求められるため、診断名が示された方が対応を進めやすい。

ところが、状態像にあまり差異が見られない労働者間で、診断の有無によって、就業面の配慮がされたりされなかったりという事態が生じると、「診断がつけられた者勝ち」「つけられた者負け」といった雰囲気を生み、職場の士気、モラルに影響が及ぶことがある。

グレーゾーンの労働者は、就業上の困難を上司や産業保健従事者に臆することなく相談でき、適切ね対応が取られるという前提条件の下で、自らは該当することを申し出ずに就業を続けることができる仕組みが、支援の目指す方向としては妥当ではないかと考えられる。

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実は発達障害なのに、うつ病などの二次障害を併発し、休職を繰り返して退職に至る労働者が多いと思う。
障害者差別禁止法の施行によって、支援が受けられるなら、多くの困難を抱える成人の発達障害者が、進んで診断を受けられた方がいい。

同僚などの理解の促進は、どうしたら進むのか。

本人にも、周囲の人にも、障害への受容が必要だと思う。



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